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大阪大学 大学院基礎工学研究科
システム創成専攻 システム科学領域
システム理論講座 飯國研究室
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1.距離計測に基づくハウリングキャンセラ

ハウリングは,スピーカ・マイクロホン間の閉ループにおいて,特定の周波数成分が増大する共振現象であり,不快で不要な信号として扱われます. 我々は,ハウリングの位相条件がスピーカ・マイクロホン間の距離に依存して決まることに着目し,距離情報に基づくハウリング除去システムの開発について研究を行っています.


提案手法では,パイロット信号をスピーカから放射し,それをマイクロホンで受信するまでの信号到来時間を利用して距離情報を入手し,ハウリングの候補周波数を同定します.そして,同定された周波数をノッチフィルタにより除去することでハウリング除去を実現します.

ハウリング除去のデモ映像

  • ハウリングキャンセラなしhow_bomb.avi (290,738 バイト)
  • ハウリングキャンセラあり22kHzsignal.avi(311,548 バイト)

2.逆ノッチフィルタを用いた音高推定

自動採譜システムを実現するためには,音高推定技術が不可欠となっています. 音高推定技術とは,楽音の基本周波数を推定する技術のことです. 従来の研究では,楽音データを周波数領域に変換してから,基本周波数を求めることが多いのですが,楽音の平均律音階の隣り合う音高の基本周波数比は2^{1/12}(2の1/12乗)であり,その周波数配置は等間隔になりません. このためFFTなど等間隔の周波数成分を求める手法では,周波数補正などの付加的な処理が必要となり演算量が増大します. そこで我々は,少ない演算量でリアルタイム処理が可能な,逆ノッチフィルタを利用した音高推定法を提案しています.



逆ノッチフィルタは,比較的正確に基本周波数を設定可能であり,観測信号から基本周波数を直接抽出することができます. さらに,基本周波数の抽出を目的としているので,ピアノ88鍵盤すべてを対象とする場合でも,サンプリング周波数は8kHz強(電話帯域程度)あれば推定できるという特長があります.

3.適応ノイズサプレッサ

電話機の快適な通話環境を確保するため,劣悪な雑音環境下においても有効かつリアルタイム動作可能なノイズサプレッサの実現が望まれています. しかし,最近提案された優れた雑音除去法の多くは,根号や特殊関数の演算を必要としており,洗練されたプログラミング技術を用いなければリアルタイムで動作させることは困難です. そこで我々は,演算量の少ない適応フィルタを用いてノイズサプレッサを実現する方法について研究しています. 提案する適応アルゴリズムによれば,適応フィルタ出力の自己相関関数を,雑音の自己相関関数に近づけることができ,両者が近づくほど雑音除去効果が高くなります. また,音声と雑音の自己相関関数が異なっているほど,音質劣化は小さくなります.


提案アルゴリズムの演算量は,一般的な時間更新アルゴリズムと全く同じであり,DSPを用いたリアルタイム処理が可能です. 演算量は少ないですが,劣悪な雑音環境下を想定したシミュレーション結果からも提案法の有効性が確認できます.

雑音除去結果の音声

  • 観測信号(女声+雑音)
  • 従来法の結果
  • 提案法の結果
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